転職活動に関するQ&A
同業他社の企業へ転職は禁止という噂を聞いたことがあるのですが・・・?①
法律的には問題ありませんが、注意が必要な部分はあります。

これまでの経験やスキルを活かして同業他社への転職を考える人は多いと思います。転職前と同じ職種であれば経験を活かせるだけでなく、現在よりもさらに活躍できるかもしれません。しかし同業他社への転職にはついては規定や法律上、さらには道徳上の問題も含まれてくるため注意すべき点もあります。本件では転職活動を始める前に知っておくべきルールや同業他社への転職のメリット等を考察します。

競業避止義務とは?
入社時や退職の時に会社から「~年間は同業他社に転職しない」といったに誓約書への署名を求められることがあります。就業時の規定にも明記されていることがございますので、自社の規定をご覧になってみてはいかがでしょうか?この規定を総じて「競業避止義務」といいます。
「競業避止義務」とは従業員が在職中に兼業したり退職後に競業行為を行ったりすることを禁止するために規定されているものです。企業にとっては機密情報を知っている従業員から競合企業に情報が漏れたり、退職した人材が在職中に獲得した知識や経験を基に起業することで企業が損害を受けたりしないようにといった目的があります。
ここでの機密情報とは会社内部の人間しか知り得ない独自の技術やデータなどが該当します。当然のことながら機密情報が競合の会社に漏洩すれば、自社の計画等を大きく変更する必要性が生じますので企業は損害を被ります。そういったリスクを軽減するため企業内で機密情報を扱う役職者や役員、および事業部長クラスの人等に採用されることが多いのが一般的です。しかしながら一般の従業員も全く無関係等というわけではありません。前述と同様に就業規則の中で「競業避止義務規定」が定められていたり、入社時の誓約書に記載されていたりする場合は役職に就いていなくても当然ながら規定の対象となります。
法律上の解釈はどうなのか?
もし貴方が入社時に「競業避止義務」に関する誓約書への署名を求められた時には、将来的に同業他社への転職の可能性を考えているのであれば署名をためらうことがあるかもしれません。しかしながら誓約書に署名・捺印したからといって同業他社への転職が絶対にできないというわけではありません。どういったケースがあるのか羅列していきます。
職業選択の自由
日本国憲法第22条にて「職業選択の自由」が保障されています。そのため極論を申し上げますと、競業避止義務規定があっても同業他社に転職することは可能です。現実的な事例を申し上げますと、実際に競業避止義務規定が設定されていても前職の企業が営業上で不利益を被らなければ、基本的には競合する会社へ転職しても独立開業しても問題になることはあまり多くないことが実情です(「あまり多くない」ことが実情ですので、実際にトラブルになったケースはございますので注意して下さい)。そのため競業避止義務規定の大義名分としては、元従業員が自社の機密情報を漏らさないための抑止力といった位置付けが適当ではないかと思料します。
会社に訴えられる可能性は0ではない
注意しなければならないことは、競業避止義務規定は効力が低いという訳ではないことです。現実のケースとして転職先での活動が原因となり、前職の企業に訴えられた事例もございます。判例から抜粋しますと、主に競業避止義務規定違反として訴訟になるのは、機密情報の漏洩等で前職の企業に大きな損害が生じたことが認定されたケースです。 元従業員による機密情報の漏洩と前職の企業が実損を被ったことの因果関係が認定された場合は競業行為の差し止めや損害賠償、退職金の返還などの請求が行われた事例があります。
常識的な道徳を守る
前述の状況や実例を勘案しますと、一般的には競業避止義務規定があっても道徳的観念を守っていれば裁判にまで発展するような事態なりにくいという解釈をすることができます。前職の会社の機密情報を利用し、転職先の会社の利益を大きく伸ばして前職の会社に損害を与えるような行為は社会通念上道徳に反する行為になります。そういった行為を行なわない限り、規定違反として問題となる可能性は大きくないと言えます。

今回のご質問をされた方は現職中であり、道徳的に現職への損害を与える可能性は低い方の様に感じました。純粋に同業他社への転職は禁止されているという情報の真意を探るために、当社へのご質問であったと思料しております。同業他社への転職については一般的に転職がしやすいというメリットがあるため、②ではそういったメリットについて考察していきましょう。
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