志望動機について　～面接のポイント⑧～

志望動機はなくてもいい？

人材不足から、選考において志望動機をあまり重視しない企業は増えています。そのため曖昧な志望動機でも内定する企業があることは事実ですが、企業を志望する上で「入社したい」という意欲は言葉にすることはとても大切なことです。
将来的には企業が自社のＰＲを行ってその上で入社の意欲を高めて貰う採用が現在より一般的になることが予想されますが、現状では志望動機は内定に関して重要な要因となっています。志望企業が決まってから具体化しても構いませんが、最低限自分自身の働き方の希望や就業イメージについてはある程度方向を定めておくよう努力しましょう。

志望動機にＮＧとされる事項は本当か？

労働条件

給与面や休日、残業時間といった就業環境や労働時間について志望動機にすることを避けて作成しているケースは多いです。しかしながら実際の転職理由にこれらを挙げているにも関わらず、志望動機に触れないことはかえって不自然です。給与条件を志望動機にすると「お金のために志望したのか？」、労働条件では「休みたいから選んだのか？」とネガティブな解釈になってしまうことを恐れていると存じますが、相手への伝え方によって解釈をコントロールすることは可能です。

エージェントからの紹介

企業から「紹介されたならばどこでもいいのか？」という解釈をされるように感じてしまうかもしれませんが、「エージェントを活用しても良い人材を採用したい」という想いを企業から確認している我々の立場からすれば、求人の紹介をする際にも当然ながら相応の想いがあってご紹介をしております。
求人をご紹介する際にも職業観や経験のマッチングを意識して対応しておりますので、企業とエージェントの信頼関係がしっかりしていればこそですが「厳選して紹介された良い方」という解釈に繋がることも現実的にあることは事実です。

経営理念や社長の人柄を志望動機にすること

最も多いのがＨＰ等の経営理念や社長の想いに共感した旨を志望動機として挙げられているケースです。もちろん悪いわけではありませんが、実際の面接において「類似した理念は他社でも示しているがなぜ当社なのか？」「想いに共感したとあるが、では実際に当社でどのような実現をしてくれるのか？」といった深い質問に繋がることが多いことも事実です。しっかりと説明できるでしょうか？

やはり大切なことは論理性

志望動機を説明する際に活用して頂きたいのが、事実を時間軸でまとめることです。論理的な説明の基本として過去　→　現在　→　未来　の時間軸を意識した説明を心掛けてください。一例として幾つかの事象を時間軸を基にまとめて志望動機としてみます。

• 自分自身の考え方に影響を与えてくれた学校の先生の様に「人の人生に影響を与える」という仕事に興味を持って教育関係の現職に就いた。
• 仕事にやりがいはあるが、深夜まで続く業務に体調を壊して今後に不安を感じた。
• 人材エージェントに相談して「人の役に立つ」「人の人生に関わる」という軸で、労働環境を改善したいと相談した。
• 給与面は変わらずに労働時間を改善できる人材会社である御社を紹介された。
• 異業種からチャレンジできる不安はあったが、労働環境の改善が叶うので関心を持ってＨＰ等で詳細を調べた。
• 社長も異業種から事業を立ち上げられたと共に社員も様々な業種からの転職者であること、さらには自分自身の転職の軸である「人の人生に関わる」ということに共感を持って志望したいと感じた。

これをまとめると

現職の塾講師に就いたきっかけは、進路に悩んでいた自分に影響を与えサポートしてくれた高校教師の様に「人の人生に影響を与える」という仕事に就きたいを考えたからです。入社後４年が経過し、当初の希望通り仕事にやりがいは感じていますが、深夜まで続く残業に体調を壊して今後に不安を感じたことから人材会社に相談しました。
就業の軸は変えたくなかったので、エージェントには「人の役に立つ」「人の人生に関わる」という希望を改めて伝えると共に、現在の労働環境を改善したいと相談しました。エージェントからは現職の給与面とはあまり変わらずに就業条件を改善できる可能性の高い人材会社である御社を紹介されましたことが御社を知ったきっかけです。
異業種からチャレンジできるかどうか不安はありましたが、労働環境の改善が叶うと聞いたこともあり、関心を持ったので自宅で改めてＨＰ等で御社について詳細を調べました。その中で印象的だったことは社長も異業種から事業を立ち上げられたと共に社員も様々な業種からの転職者であること、さらには自分自身の転職の軸である「人の人生に関わる」という希望が御社に入社することで叶えられるのではないかと感じたことです。自分の強みである親切丁寧な応対を活かし、人生の岐路で悩んでいる方のサポートをしたいと考え志望させて頂きました。

といった内容になります。

最後に

企業について知りたいことはエージェントに質問をしましょう。紙面だけでは把握することの出来ない情報を知ることでより一層の志望の意欲を高めることにも繋がります。論理的な説明を組み立てた後には、しっかりとした自分の想いを伝えることが大切です。何かお困りごとがあれば遠慮なくご相談下さい。