書類の書き方について ~職務経歴書の基本②~
前回の①では職務経歴書の形式等について記載しましたが、今回は具体的な職務経歴書の内容について考察していきます。基本的なポイントを押さえてよい職務経歴書に仕上げていきましょう。
職務経歴書に盛り込む項目
職務経歴書は特にフォーマットが決まっていないため、盛り込む項目も比較的自由です。その中でも最低限盛り込むべき基本項目について記載していきます。
日付
郵送する場合は書類を発送した日、面接日に直接持参する場合は面接当日の日付を記入しましょう。表記は西暦でも元号でも問題ありませんが混在させずどちらかに統一して表記しましょう。セットで提出する履歴書との表記統一にも注意が必要です。この混在は散見されており、企業側の印象は良くありません。注意しましょう。
職務要約
これまでのキャリアの概要を5~6行程度でまとめます。採用担当者がこの項目から目を通す可能性が高いので、職歴を簡潔な表現で網羅するだけでなく、活かせる経験やスキルなどのアピールポイントも記入しましょう。端的にまとめる力も評価されていることに注意して下さい。
職務経歴
これまでに在籍した会社について、選択したフォーマットに合わせて順番に記載しましょう。勤務先の名称は略称ではなく、「株式会社〇〇」のように正式名称で記載します。在籍年月はもちろんのこと、事業内容、資本金、従業員数、設立年など、会社概要も盛り込みます。
部署/役職/職務内容
それぞれの会社で自分が所属していた部署名や主な業務内容、実績などを記載します。部下がいた場合は「○○課 課長(課長以下5名)」といったように人数も明記しましょう。部下の人数はマネジメントの能力を測る情報として重要視されます。役職がなかった場合は記載なしでも問題ありません。
実績
自分の強みとなる成果や実績は、具体的な数字を用いてアピールしましょう。具体性の記載の有無で相手の受け取り方が変わります。第二新卒の人や仕事で目立った実績がない人は仕事で工夫した結果や改善されたこと、成果が上がったことの記載等を行うと良いでしょう。例を記載しておきます。
【営業】平成○年度売上実績:○万円(目標達成率○%、部内何人中○位)
【人事】平成○年度中途採用実績:30名(目標達成率○%)
【管理】平成○年工場内コスト削減○%(目標値○%) など
資格/スキル/免許
転職先の仕事に活かせる資格や知識や技術のほか、語学やPCスキル、取得している免許などについて記載します。保有資格を全て記載することが必ずしも良いわけではありません。先行される企業において評価される資格について優先的に記載するようにしましょう。
PC:Excel(固定資産管理台帳、シフト表の作成などに使用)
英語:TOEIC 880点(平成○年○月取得)。ビジネスレベル。海外出張時は通訳不要。
保有資格:普通自動車運転免許 など
志望動機/自己PR
履歴書と職務経歴書に志望動機を書く場合がありますが、その際はどちらか一方で問題ありません。分量の制限が少ない職務経歴書に記載した方が良いでしょう。ただし、詳しく記載するとはいえ簡潔な表現を心がけて文章が長くなりすぎないように注意してください。ここでも端的にまとめるということは必要な観点です。
自己PRでは自分がどのような人間であるのかだけでなく、業務で貢献できそうな点などを記載しましょう。「これまでどのような職業観で仕事に取り組んできたのか」「次の会社でどんな仕事をしてどんなポジションに就きたいか」などについてまとめましょう。
職務経歴書のポイント
企業のニーズに合わせる
採用担当者に「この応募者は募集ポジションにマッチしている」「是非一度会って話をしてみたい」と感じさせるのが職務経歴書の趣旨です。自分のキャリアやスキルに自信があったとしても、企業が求める人材像にマッチしていると判断されなければ内定には繋がりません。求人情報や応募先企業のWebサイト、エージェントからの情報を考慮して企業側のニーズをつかみ、自分のキャリアをどうアピールするのが効果的か考えてから職務経歴書を作成するようにしましょう。
読みやすいレイアウトを心がける
職務経歴書は読みやすさを意識して作成しましょう。今までの経験をただ羅列しただけでは、どこがポイントなのか採用担当者に伝わらないおそれがあります。自由記載形式であったとしても奇抜さを重視するのではなく、分かりやすさを重視しましょう。工夫としては「本文と見出しの文字を変える」「背景に色を入れる」「行間を取る」「罫線を引く」といったレイアウトの調整です。
最後に
職務経歴書の作成にはコツがあります。応募先企業が求める基準をよく考えたうえで、応募ポジションにふさわしいキャリアやスキルを自分が兼ね備えていることをアピールしましょう。エージェントに相談しながら少しずつ完成させていきましょう。ご相談ごとがあれば遠慮なく。