努力が報われない時にどうするか
2021/05/28

先日、ある求職者の方が私にこんなことをおっしゃいました。
1時間程、私と面接練習をした後です。

「面接ってこんなに奥が深いんですね。」
「僕の友達は簡単に内定が出たんです。何の努力もしていないのに。」
「何で僕はこんなに努力しても上手くいかないのか…」

その方(Aさんとします)はもう1年も転職活動をしており、書類選考で全て不合格。
面接に進むことが出来ない状態でした。
当社から提案した企業で、ようやく書類選考通過。
初めて面接に進むことになりました。
面接練習を私と行っていたときの言葉です。
少し、納得が行かない気持ちがあったのだと思います。

私はこう答えました。
「イケメンは努力しなくても簡単に彼女が出来ます。」
「私は違った。大学卒業まで一人の彼女も出来なかった。好きな人に振り向いてもらう為に、 デートで喜んでもらう為に、本当に努力した。傷つき、辛い思いもたくさんしました。」
「転職活動も同じです。努力しなくても内定が出る人はいます。」
「でも、努力しなければ、内定が出ない人もいます。」
「もっと言うと、努力しても、内定が出ない人もいるのです。」

「失礼ですが、Aさんの経歴では簡単に内定は出ません。
企業にモテる経歴では無いからです。
でも、Aさんは努力すれば内定が出る人です。
Aさんの仕事に向き合う姿勢。営業スキル。面接で伝われば企業は必ず評価する。
きちんとした面接、自己紹介が出来れば、きっと上手く行きますよ。」

Aさんは20代だったのですが、既に2回も転職しており、今度が3回目。
「すぐ辞めてしまうのでは」と、早期離職を懸念する企業が多く、書類が通らず苦戦しておりました。

その後Aさんは私と4回も面接練習を行いました。
練習前には必ず想定質問に対する回答を考え、事前準備をしてから当社に来社されていました。
面接練習に真剣に向き合い、勉強する姿勢のある人でした。
2度の面接を経て、志望する企業に内定。
私は最終面接も同席させて頂いたのですが、Aさんの対応は素晴らしかった。
最終面接後に「力は出し切りました」と私に言ったAさん。
電話で内定報告をしたときの嬉しそうなAさんの声は今でも覚えています。

Aさんの言うように、努力していなくても、転職活動が上手く行く人がいます。
一方、努力し、真剣に考えて転職活動をしても、上手く行かない人がいます。

努力したからと言って、上手く行くとは限りません。
真剣に取り組んだからと言って、結果が出るとは限らない。
企業の採用ハードルは高く、現実は甘くないです。

それでは、努力は無意味なのでしょうか。
転職活動は学歴や職歴でほぼ決まっており、努力したところでどうしようもないものなのでしょうか。

そういう会社は勿論あります。
いわゆる大企業と呼ばれる企業の一部はそうです。
学歴と職歴が全てで、その人の人間性がどんなに優れていても、仕事の能力が高い方であっても、書類選考すら通過出来ません。

ですが、そうじゃない会社もあります。
応募者の人柄と能力を重視し、面接で採用に値する人材かどうかを判断してから採否を決定する会社です。
そのような会社であれば、自分の強みを伝える努力や工夫は意味があります。
世の中にはたくさんの会社があり、様々な採用担当者がいるのです。
採用基準や評価するポイントだって様々です。
自分に合いそうな企業を探し見つけ出すことも努力の一つです。

そもそも、努力は報われる為だけにするものなのでしょうか?
報われないのであれば、努力する意味は無いのでしょうか?

私はそうは思わない。
報われなかったとしても、努力すること、それ自体が価値のあることです。
自分自身の成長にも必ず繋がります。
努力し、真剣に取り組んだからこそ、上手く行かなかったとき、転職活動の方針を変えることも出来るのです。 (方針を変えられずに「無駄な努力」を続ける人も多くいます。)

きっとどこかに貴方の努力を見てくれている人がいます。
きっとどこかに貴方の努力を評価してくれる会社があります。
そのように信じられるかどうか。
自分自身の成功を信じる強さが必要です。

貴方が転職することを決意したのは、何か理由があってのことだと思います。
何のために貴方は転職をしたいと思ったのですか?

報われないかも知れない。
簡単には良い結果が出ないかも知れない。
それでも努力しなくてはならない時がある。
諦めないで頑張り続けなくてはいけない時がある。
それは、今なのではないですか?
最後に、私の好きな名言を引用します。

努力は必ず報われる。 もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。
王貞治(元ソフトバンクホークス監督)

厳しい言葉です。
でも前向きになれる。勇気が出る言葉です。

貴方の努力がきっと良い結果に繋がる。私たちは心からそう信じています。

筆者
紫藤 太一
筆者プロフィール
大学卒業後、東京にて大手居酒屋チェーンにて5年勤務。 その後北海道にUターンし、財布メーカーの営業職として3年勤務。 前職の倒産に伴いキャリアバンク入社。 道内企業の動向および採用ニーズを長年ヒアリングしており、企業側の視点に立ったアドバイスに強みを持つ。
コンサルタント紹介:紫藤太一

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