面接のポイント② ~質問について~
書類選考を通過し、面接に向かう方にご覧になって頂きたい記載を数回シリーズ化して掲載します。今回は「質問」についてです。面接中、特に面接の最後に面接官が選考者に「何か質問はありますか?」と確認することがあります。私の個人的な意見としては必ず質問する必要はないという意見ですが「特にありません」と答えると印象が良くない場合もあることは事実です。今回は面接時の質問の仕方について考察していきます。
質問によって面接官は何を確認しているのか
会社に対する興味や関心のレベル
一般的に選考者の入社意欲が高ければ社風や業務内容、仕事内容などについて何かしら質問があると面接官は考えているケースがあります。その期待値に対して「特にありません」と答えてしまうと解釈によっては「入社への熱意不足」「興味がない」「不勉強」と判断されてしまう可能性があります。
ミスマッチの回避
最近増えてきているのが短期間での離職者の防止のため、懸念している点を事前に把握したいという考えです。選考者が疑問や不安をもった状態で入社することを防ぎ、入社後「こんなはずではなかった」「こんな会社とは思わなかった」といったミスマッチを防ぎたいという意向から質問を依頼しています。
コミュニケーション力
的確な質問ができるかということは、特に社内外での柔軟なコミュニケーションの基となるという考え方です。企業は能力として自分自身で能動的かつ論理的に物事を考えることの出来る人材を好む傾向にあります。言われたことを理解することはもちろんですが、質問には理解できなかった部分を把握し、整理する能力があるという解釈をする企業もあります。
質問をする時のポイント
論理的な質問
質問の大前提に、企業から「なぜその質問をしたのですか?」と聞かれることを頭においてください。その質問をした因果関係が説明できない場合、企業側が質問の意図を独自に解釈してしまうと可能性があります。例えば貴方が残業について質問をしたとします。「前職で月に○○時間程度の残業が有り、身体を壊した経験があるため、残業量について知りたい」という意図であったとしても、相手に伝わらなければ「残業をしたくないから残業について質問があるのだろう」という解釈になってしまう可能性があります。質問は論理的であることが大前提です。
入社の意欲を見せる
配属先での具体的な仕事内容やキャリアパス等の前向きな姿勢は仕事に対する強い意欲を表現しており、一般的に印象が良いです。しかしながら面接の場では緊張から頭が真っ白になって質問が出てこないことや、質問の意図を面接官に理解してもらえないという事態も想定されます。用意した質問事項がある程度面接時の説明で理解できてしまうケースもございますので、事前準備を行なう際は幾つか質問を準備し、その場の雰囲気や状況に応じて質問を変える柔軟性も大切です。
ネガティブなことも必要
質問の意図が明確であり、質問事由を論理的に説明できるのであればネガティブな点についても質問は可能です。前述の残業だけでなく給与や労働環境等についても、企業側はミスマッチを防ぐという観点から受け入れて頂けるケースは増えています。「家族が増えたため、生活の安定化を考えて転職を検討しているため給与条件について聞きたい」「前職では平日の休日であったため子供の行事に一度も参加したことがないため、御社では日曜日に休めるのかを知りたい」といった明確な因果関係をしっかり伝えましょう。
そもそも質問は「絶対」か?
質問には明確な意図があって行われるものであると私は考えています。必ずしなければいけないという解釈についてはやや懐疑的です。イメージでは質問とは自発的ににじみ出てくるものであり、あえて質問を作るという考えは不自然な様に感じています。疑問に感じていたことが面接中の説明で解消される場合や、面接時のコミュニケーションの中で解決するということも十分考えられます。その際は「○○や××について事前にお伺いしたいと考えていたのですが、面接を通じて疑問点は解消されたので大丈夫です」といった形で無理に質問を最後にする必要は無いのではないかと考えています。
最後に
冒頭にも記載しましたが、質問に対して「特にありません」と答えること自体が悪いこととは考えていません。しかし、「特に無い」ことについても論理的な説明が必要です。
「面接中に把握できたから」「エージェントから聞いていた情報とずれがほとんど無いから」「実は興味が無いから」という理由付をしっかりしなければ、企業側に解釈されてしまいます。質問についてもう一度考えてみてください。